ツレがリクエストして、TSUTAYAディスカスから送られてきた映画です。

*結構長い文章を書いたのですが、最近インターネットの接続が悪く、書いたものがそのまま下書きもされずに飛んでしまったので、軽く書きます…。


ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 (字幕版)


ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期(公式サイト)

作品データ(映画.com)
原題 Bridget Jones's Baby
製作年 2016年
製作国 イギリス
上映時間 123分

ストーリー(公式サイトより)
ブリジットは43歳に。なぜか未だ独身。彼女が愛した2人の男はといえば、なんとダニエルは飛行機事故で亡くなり、マークは別の女性と結婚してしまっていた。しかし、いまやテレビ局の敏腕プロデューサーとなったブリジットに再びドラマチックな出会い(モテ期!)が訪れる。ハンサムでリッチ、性格もナイスなIT企業の社長、ジャック(パトリック・デンプシー)だ。いつもの天然っぷりから彼と急接近する一方で、マークとも再会を果たすブリジット。マークは妻と離婚の協議に入っているという。またしても2人の間で揺れることになるブリジット。40代女性としてさらにタイヘンな局面を迎え、一体どうなる!?

感想
前作前々作も観たはずなのですが、前作から10年以上も経っているので、どんな話だったのかかなり忘れてしまっていました。

それでも、前作や前々作をしらなくてもコメディータッチなので楽しめる内容になっていたと思います。

内容を簡潔に書くと「43歳のパートナーもおらず、妊娠&出産のタイムリミットも迫ってきた中、適当な相手とセックスをし、父親が分からないけれど妊娠し&出産し、最終的にはパートナーも子どもにも恵まれてハッピー」という話です。

多分、同じような境遇(例えば恋人やパートナーがいなかったり、妊娠出来る年齢のタイムリミットを迎えている)人は楽しく観ることが出来るのかな、と思います。
イギリスでの話とはいえ日本でも同じような人たちがたくさんいるようですし、「40歳過ぎててもセックスを楽んで、(ちょっと予想外だったけど)妊娠&出産で子どもも授かり、パートナーも出来てハッピー」という内容は、それらの人たちにすごく希望を持たせると思います。

作品中では、43歳である意味恋愛市場からかなりはじかれる存在であるはずなのに、(ブリジットの半分くらいの年齢の若者が多く集まる)野外フェスで「いい男」とすぐにセックス出来るようになり、離婚理由には一切触れずに元彼とセックスするようになり、そして、すぐに妊娠。
高齢出産なのにそれにまつわる不安や現実的な課題には一切触れられずに、何のアクシデントもなく(ちょっと出産が早まっただけ)無事に出産。
そして、何故か(恋愛市場では売れ残りのはずなのに)、2人の男性(しかもこの2人は恋愛市場では、お金も地位もあり、年齢の割に容姿が良いので売れ筋のはず)に求愛される。

夢を見るには良い作品なのだと思います。
でも、この映画の中のブリジットのような展開が今後訪れる人はどのくらいいるのでしょうか。

ブリジットと同僚で友人のミランダと野外フェスに行った際、そこでエド・シーランと出会います。
2人はエド・シーランのことを知らずに「スタバの店員みたい」と言い、その場のシーンが笑える場面になっています。

この映画を観るときに楽しめるかどうかは、この場面でエド・シーランを知っているか、エド・シーランを知っているからこそ笑えるかどうかという点で大きな差が出てくると思います。
ブリジットのようにエド・シーランという人を知らない人にとっては、この映画は楽しめる様になっていて、エド・シーランを知っているからこそこの場面で最初から笑うことが出来る人にとっては、多分あまり楽しめないと思います。

なぜなら、そこに明らかな年代の差があるから。
前作や前々作でも僕とブリジットの年齢差は変わらないはずなのに、今回の作品は全体として笑えない(楽しめない)。
それは、僕よりも10歳上の40代の女性が、20代のように出会いを求めて野外フェスに行き、実際にセックスし、予想外の妊娠をし、殆ど何の心配もなく出産し、結婚もする、という、容姿や社会的立場と行動とのギャップが、「痛い」あるいは気持ち悪く感じてしまうからです。

40代がセックスを求めても、予想外の妊娠をしても、出産をしても、結婚をしても良いですし、僕がこういうことを感じる事自体、僕がいかに保守的なのかを痛感するのですが、それでもやっぱりちょっとブリジットの行動はあり得ないでしょう、と。

この作品を夢や希望と感じるか、現実的ではないと感じるかによって、評価がかなり分かれる作品だな、と思います。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ムーンライト」 / 5 「あまくない砂糖の話」 / 6 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 7 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 8 「帰ってきたヒトラー」 / 9 「SING/シング」(日本語吹替版) / 10 「奇跡の教室」

11 「ベティ・ブルー」 / 12 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 13 「神様の思し召し」 / 14 「her/世界でひとつの彼女」 / 15 「マグノリア」 / 16 「プリズナーズ」 / 17 「if i stay」 / 18 「ハドソン川の奇跡」 / 19 「ニュースの真相」 / 20 「ラ・ラ・ランド」

21 「しあわせのかおり」 / 22 「REDリターンズ」 / 23 「 愛しき人生のつくりかた」 / 24 「ディーパンの闘い」 / 25 「プリデスティネーション」 / 26 「花様年華」 / 27 「EDEN/エデン」 / 28 「17歳」 / 29 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 30 「後妻業の女」

31 「ロゼッタ」 / 32 「ニュースの真相」 / 33 「あと1センチの恋」 / 34 「海難1890」 / 35 「ホテルコパン」 / 36 「聖の青春」 / 37 「ロング・トレイル!」 / 38 「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」 / 39 「ワールド・ウォーZ」 / 40 「惑星のかけら」

41 「麦子さんと」 / 42 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 43 「カケラ」 / 44 「スプリング・ブレイカーズ」 / 45 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

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2017.04.22 Sat l 2017年 l top
(多分)ツレがリクエストし、TSUTAYAディスカスで送られてきた映画です。


ニュースの真相 [DVD]


ニュースの真相(公式サイト)

作品データ(映画.comより)
原題 Truth
製作年 2015年
製作国 オーストラリア・アメリカ合作
上映時間 125分
映倫区分 G

ストーリー(公式サイトより)
ジョージ・W・ブッシュ米大統領が再選を目指していた04年。
アメリカ・CBSニュースのベテランプロデューサー、メアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)は、伝説的ジャーナリスト、ダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)がアンカーマンを務める番組で、ブッシュの軍歴詐称疑惑を裏付けるスクープを放送し、センセーションを巻き起こした。
だが、「新証拠」を保守派のブロガーが「偽造」と断じたことから、CBSは激しい非難を浴びる。同業他社の批判報道もとどまるところを知らず、ついに上層部は事態の収束を図り、内部調査委員会の設置を決定。そのメンバーにはブッシュに近い有力者も含まれている。肝心の軍歴問題は取材打ち切りとなり、もはや疑惑は存在しないも同然だった。
メアリー、ダン、そして取材チームは会社から切り捨てられるのか? 出来レースのような委員会との闘いを前に、メアリーは勇気を奮い起こす。圧力に屈することなく、真実を伝えることを使命とするジャーナリストとしての矜持と信念を示すために―。

感想
実話を元にしているようですが、この映画の評価はアメリカ合衆国民であるかどうか、(ブッシュJr.再選時)ブッシュJr.支持者かどうか、ジャーナリズムにかかわっているかでかなり変わってくるのではないかと思います。

ブッシュJr.の軍暦がどのようなものであったのか、そもそも盲目的にブッシュJr.を指示している人にとってはそんなことはブッシュJr.の再選を阻止しようとする「敵」によるもので、真実かどうかは関係がありません。
そして、アメリカ合衆国民でなければ、一番重要なのは、次の大統領が「誰なのか」ということであって、そのなかでどのような報道がされたのかなどあまり興味がないでしょう。

このCBSが報じたブッシュJr.の軍暦に関する報道が「真実」なのかどうか、映画が進むにつれて分かっていくのかな、と思って観ていたのですが、そんなことは起きず、報じた内容の証拠が「偽造」なのかどうか、報道チーム、特にプロデューサーのメアリー・メイプスへの調査がメインに移っていきます。

そもそもブッシュJr.の軍暦に問題があるかどうか自体にそれほど興味はないのと、今の2017年の時点では誰が大統領に再選したのか、その結果どのようなことが起きたのかを知っているので、ブッシュJr.自体の軍暦に関しての報道が真実か否かを知っても何にもならないとも思います。

なので、この映画、何を伝えようとしているのか最後までよく分からなかったのですが、最後の最後に調査委員会が終了すると言うときにメアリー・メイプスが発した言葉が一番伝えたいことなのかな、と思いました。
それは、軍暦が意図的に「誰かの力によって」操作されたものであるかどうか、ということではなく、それを立証するための証拠が「証拠たり得るか」という点に関心が移っていて、もはやブッシュJr.の軍暦のことが問題ではなくなっていて、みんな忘れてしまっている、と。

また、日本でもかなり最近言われる、報道機関の「政治的中立」ということもこの調査委員会は大きな問題として捉えていたようです。
最終的に「政治的偏向はなかった」というように結論づけたようですが、「政治的偏向」とはなんなのか、僕には未だに分かりません。
極右からみれば、他は全て左になり、偏っているように見えますし、片方への振り幅が大きければ大きいほど中間はどんどんその大きく振っていったほうに移っていきます。

政治的中立というのは結局何も意味を持っておらず、だったら、最初から何を報じようとしていたのかから証拠が本物かどうかに調査の焦点が当たったとしても最後までその証拠が本物かどうかに焦点を当て続けて欲しかったと思います。

映画の善し悪しは置いておくとして、権力者、あるいは権力を保持しうる人の「都合の悪い出来事」は広く報道すべきだと僕は考えていて(それによってその人物への評価はその報道を知った人各々がすれば良い)、そういう意味で、そのような報道をしていた人物たちがジャーナリズムの世界から去ってしまったということは間違いなく悲劇だと思います。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ムーンライト」 / 5 「あまくない砂糖の話」 / 6 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 7 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 8 「帰ってきたヒトラー」 / 9 「SING/シング」(日本語吹替版) / 10 「奇跡の教室」

11 「ベティ・ブルー」 / 12 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 13 「神様の思し召し」 / 14 「her/世界でひとつの彼女」 / 15 「マグノリア」 / 16 「プリズナーズ」 / 17 「if i stay」 / 18 「ハドソン川の奇跡」 / 19 「ニュースの真相」 / 20 「ラ・ラ・ランド」

21 「しあわせのかおり」 / 22 「REDリターンズ」 / 23 「 愛しき人生のつくりかた」 / 24 「ディーパンの闘い」 / 25 「プリデスティネーション」 / 26 「花様年華」 / 27 「EDEN/エデン」 / 28 「17歳」 / 29 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 30 「後妻業の女」

31 「ロゼッタ」 / 32 「ニュースの真相」 / 33 「あと1センチの恋」 / 34 「海難1890」 / 35 「ホテルコパン」 / 36 「聖の青春」 / 37 「ロング・トレイル!」 / 38 「ワールド・ウォーZ」 / 39 「惑星のかけら」 / 40 「麦子さんと」

41 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 42 「カケラ」 / 43 「スプリング・ブレイカーズ」 / 44 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.21 Fri l 2017年 l top
先日、『わたしはダニエル・ブレイク』を観に行った際「午後8時の訪問者」という作品の予告編が流れました。



予告編を観てこの作品に少し興味を持っていたら、その後新聞で監督のダルデンヌ兄弟のインタビューを読み、ますます興味が沸きました。

はじまりは小さな過ち ダルデンヌ兄弟監督「午後8時の訪問者」 映画大好き!(朝日新聞2017年3月31日)

でも、劇場で観るには僕にはもういろいろと余裕がないな、ということで、TSUTAYAディスカスがまた旧作50円(税抜き&送料別)だったので、借りられるダルデンヌ兄弟が監督した作品を借りてみることにしました。

ということで、前振りが少し長くなってしまいましたが、今回観た作品は、借りたダルデンヌ兄弟の監督作品のうち、一番初期のこの作品です。


ロゼッタ [DVD]


作品データ(映画.comより)
原題 Rosetta
製作年 1999年
製作国 ベルギー・フランス合作
上映時間 93分

ストーリー(映画.comより)
酒びたりの母親とキャンプ場のトレーラーハウスで暮らす少女ロゼッタは、ある日突然、何の理由もなく工場での仕事をクビになってしまい、新しい仕事を探しはじめるのだが……。

感想
1999年公開の映画ですが、(もちろん着ているものや、持ち物などのスタイルは変わっていますが)古びることのない内容でした。

貧しい暮らしをし、トレーラーハウスで、アル中でたまに売春している母親と二人で暮らすロゼッタ。
どうにかありつけた仕事も解雇され、必死にしがみついても結局情況は変わりません。
家の近くのキャンプ場で自作の仕掛けで鱒を手に入れ、なんとか食いつないでいくような情況。
リケという青年に出会い、仕事にもありつけたかな、と思ったけれど、やはりそれもすぐに終わってしまいます。
そこでもなんとかしがみつこうとするけれど、やはりうまくいかず、人を陥れることによってようやく仕事を手に入れる。
だけどそうやって人を陥れることにも何か考えることがあったのか、自分から仕事をやめてしまう。

僕は自己責任とか、努力すればなんとかなるという言葉が好きではありません。
それは、むしろこのロゼッタのような、「せっかく好転しそうなのに結局破滅に自ら向かってしまう」という生き様の方が身近に感じられるからです。
破滅的だと分かっていても、でももうどうすることも出来ない。
何度も何度も足蹴にされ、否定され、拒否され、排除されてきたので、今目の前に大きなチャンスがあるよ、と言われても「もう無理だ」と思ってしまう。

傍から見れば、それは努力をしていない、と思うのかも知れませんが、頑張ればなんとかなるのに、とか、何とかなるのにそれをしない自分が悪い、ということになるのかも知れませんが、生きるとは「積み重ね」なのだ、と思います。
今までに1回しか、足蹴にされたり、否定されたり、拒否されたり、排除されたりしたことのない人には、チャンスに挑戦する勇気がわくかも知れない。
でも、今まで100回も足蹴にされたり、否定されたり、拒否されたり、排除されたりしたことのない人には、目の前のチャンスがもはやチャンスには見えないのです。
それはチャンスではなく101回目になるかも、という不安、恐怖、おびえを招くものなのです。
だから、101回目が来るかも知れないのなら、もう何もしない方が良い。
それを傍から見た人は、あいつは挑戦すらしない、と判断し、自己責任だと断じるのです。

主人公のロゼッタはあまり話もしないし、それよりも歩いていたり、走っていたりすることの方が多く、何を考えているのか、何を思っているのかはよく分かりません。
でも、唯一救われるような気がしたのは、日本でもセーフティネットの役割を担っている性を売って生きるという場面が出てこなかった点です。
でも、それも単に描かれていないだけで、このあとのロゼッタを描くならば、ロゼッタの母親がしていたように売春して稼ぐということになるのかも知れません。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ムーンライト」 / 5 「あまくない砂糖の話」 / 6 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 7 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 8 「帰ってきたヒトラー」 / 9 「SING/シング」(日本語吹替版) / 10 「奇跡の教室」

11 「ベティ・ブルー」 / 12 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 13 「神様の思し召し」 / 14 「her/世界でひとつの彼女」 / 15 「マグノリア」 / 16 「プリズナーズ」 / 17 「if i stay」 / 18 「ハドソン川の奇跡」 / 19 「ラ・ラ・ランド」 / 20 「しあわせのかおり」

21 「REDリターンズ」 / 22 「 愛しき人生のつくりかた」 / 23 「ディーパンの闘い」 / 24 「プリデスティネーション」 / 25 「花様年華」 / 26 「EDEN/エデン」 / 27 「17歳」 / 28 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 29 「後妻業の女」 / 30 「ロゼッタ」

31 「あと1センチの恋」 / 32 「海難1890」 / 33 「ホテルコパン」 / 34 「聖の青春」 / 35 「ロング・トレイル!」 / 36 「ワールド・ウォーZ」 / 37 「惑星のかけら」 / 38 「麦子さんと」 / 39 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 40 「カケラ」

41 「スプリング・ブレイカーズ」 / 42 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.20 Thu l 2017年 l top
ツレがリクエストしてTSUTAYAディスカスから送られてきた映画です。


聖の青春


聖の青春(公式サイト)

作品データ(映画.comより)
製作年 2016年
製作国 日本
上映時間 124分
映倫区分 G

ストーリー(公式サイトより要約)
1994年、大阪。村山聖(松山ケンイチ)は現在七段、“西の怪童”と呼ばれる新世代のプロ棋士。聖は幼少時より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、無理のきかない自らの重い身体と闘いながら、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指して快進撃を続けてきた。
そんな聖の前に立ちはだかったのは、同世代の天才棋士・羽生善治(東出昌大)。すでに新名人となっていた羽生との初めての対局で、聖は必死に食らいついたものの、結局負かされてしまう。
羽生の側で将棋を指したいと思った聖は、体調に問題を抱えるため家族や仲間は反対したが、上京。
髪や爪は伸び放題、本やCDやゴミ袋で足の踏み場もなく散らかったアパートの部屋。酒を飲むと先輩連中にも食ってかかる聖に皆は呆れるが、同時にその強烈な個性と純粋さに魅了され、いつしか聖の周りには彼の情熱を支えてくれる仲間たちが集まっていく。
その頃、羽生が前人未到のタイトル七冠を達成。
聖はさらに強く羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして一層将棋に没頭し、並み居る上位の先輩棋士たちを下して、いよいよ羽生を射程圏内に収めるようになる。
そんな折、聖の身体に癌が見つかった。「このまま将棋を指し続けると死ぬ」と医者は忠告。しかし聖は聞き入れず、将棋を指し続けると決意。もう少しで名人への夢に手が届くところまで来ながら、彼の命の期限は刻一刻と迫っていた…。

感想
公開された当時から僕も知っていた映画で観る機会があったら観たいな、と思っていました。
村山聖という人のことは知らなかったのですが、主演の松山ケンイチは結構好きで、松山ケンイチが出ている作品はかなり観ています。
今回も村山聖を演じるためにかなり体重を増やしたということで、今回も気合いが入っているな、と。

そんないつも通り気合いの入っていながらもあくまでも村山聖という人物を自然体かのように演じている松山ケンイチはさすがでしたが、作品はそれほど面白くは感じられませんでした。
村山聖自身が突出した人物だったということで、その人自体のおもしろさはあるのでしょうが、ちょっと調べてみた村山聖という人のエピソードとこの作品で描かれる村山聖という人のエピソードが若干違っていました。

制作者としては「若干の違い」なのかもしれませんが、実在の人物を描くならば「若干の違い」ということは許されないのではないか、と思います。
その「若干の違い」は観る人によっても「若干」なのか「明確な違い」なのかも違うわけですし、僕としては、何故ここを変えてしまったのか、これを変えなければより村山聖という人の人物にある点での一貫性みたいなものが出て来て、その人柄というか抱えていたものが伝わったんじゃないか、と思いました。

まぁ、これも「実在の人物を扱っていても、他の人が演じている限りフィクションだから」、ということも出来るのかもしれませんが、それだったら、実在の人物をここまで登場させる必要はないのではないかな、と。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ムーンライト」 / 5 「あまくない砂糖の話」 / 6 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 7 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 8 「帰ってきたヒトラー」 / 9 「SING/シング」(日本語吹替版) / 10 「奇跡の教室」

11 「ベティ・ブルー」 / 12 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 13 「神様の思し召し」 / 14 「her/世界でひとつの彼女」 / 15 「マグノリア」 / 16 「プリズナーズ」 / 17 「if i stay」 / 18 「ハドソン川の奇跡」 / 19 「ラ・ラ・ランド」 / 20 「しあわせのかおり」

21 「REDリターンズ」 / 22 「 愛しき人生のつくりかた」 / 23 「ディーパンの闘い」 / 24 「プリデスティネーション」 / 25 「花様年華」 / 26 「EDEN/エデン」 / 27 「17歳」 / 28 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 29 「後妻業の女」 / 30 「あと1センチの恋」

31 「海難1890」 / 32 「ホテルコパン」 / 33 「聖の青春」 / 34 「ロング・トレイル!」 / 35 「ワールド・ウォーZ」 / 36 「惑星のかけら」 / 37 「麦子さんと」 / 38 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 39 「カケラ」 / 40 「スプリング・ブレイカーズ」

41 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.13 Thu l 2017年 l top
以前、勝間和代さんや津田大介さんが触れていた映画で、観てみたいと思っていたので、TSUTAYAディスカスでリクエストして観た映画です。



あまくない砂糖の話 THAT SUGAR FILM(公式サイト)

作品データ
原題 That Sugar Film
製作年 2015年
製作国 オーストラリア
上映時間 102分

内容(公式サイトのイントロダクションから要約)
俳優のデイモン・ガモーは、人間は平均で1日にティースプーン40杯もの砂糖を取っていることを知る。角砂糖やコーヒーシュガーだけが砂糖ではない。今や砂糖は形を変えて様々な食品に入り込み、加工食品の80%には砂糖が含まれているのだ。そこでガモーは自らの体を使い、一日にティースプーン40杯分の砂糖を60日間にわたって摂取するという実験に乗り出した。“ヘルシー”と宣伝されながら実際には大量の砂糖が隠されている食品に焦点を当てる。身近な現実の恐怖、あまい砂糖に隠されたあまくない真実に迫る!
ガモーは、低脂肪ヨーグルト、穀物バー、ジュース、シリアルといった、ヘルシーと信じられているが実際には大量の砂糖が潜んでいる食品を60日間食べ続けるという無謀な実験をスタートさせた。医師や栄養士などの管理の元、摂取カロリーは変えず、実験前から続けている運動もそのまま継続。変わったのは食生活だけなのに、実験開始12日目ですでに3.2キロも体重が増えてしまった!実験が半ばを過ぎた頃、国民の3人に1人が肥満になっているという世界一の“砂糖大国”アメリカへ飛ぶ。早速注文したスムージーには、“ヘルシー”と表示されているにもかかわらずスプーン34杯分もの砂糖が入っていた。ケンタッキー州では幼い頃から毎日マウンテンデューを飲み続けているという虫歯だらけの少年に出会い、“食”をめぐる教育に疑問を抱く。ニューヨークでは、政治と癒着する巨大食品企業の陰謀が次々と明らかに。さらに、砂糖を摂り続けているガモーの体にも異変が起こり始める…。前代未聞の実験の驚きの結果とは?

感想

内容を事前に調べずにリクエストしていたのですが、何故内容を知らずにリクエストしていたのかというと、大学生の時に社会学系の授業だったと思うのですが、砂糖産業についてのドキュメンタリーを見たことがあったからです。
ちょっと調べてみたら、BSで放送された「世界を動かす砂糖産業」(原題「Big Sugar」)という、カナダ制作のドキュメンタリー(制作年は2005年)でした。
(DVDなどでは見つけられませんでしたが、動画サイトではアップされたものがいくつかあったので、興味があったら、各々検索してもらえたらと思います。)

「世界を動かす砂糖産業」は砂糖産業が、特にドミニカ共和国の状況に焦点を当てつつ、そこで生活する人たちにどのような影響を与えているかを明らかにしたものでした。
賃金は安く、単一産業になり、余計に生活は苦しくなる。
僕が「貧困」や「格差」という問題に関心を深く持つようになった大きなきっかけの一つになったドキュメンタリーでした。

このドキュメンタリーが念頭にあったので、今回の「あまくない砂糖の話」ももしかしたらそのような砂糖産業の話なのかな、と思っていたのですが、全く違いました。
スーパーサイズ・ミー」(マクドナルド商品を30日間食べ続けて心身への影響を記録した映画)のように、砂糖を60日間食べ続けて心身への影響を記録した作品でした。

僕自身は今年の2月から糖質制限をはじめていて(「糖質制限はじめました」)、砂糖を以前より取らない生活を送っているので、心身への影響はまさに現在僕が実感していることと変わりませんでした。

具体的には、体重が増加し、砂糖(糖質)を摂取してしまうとすぐに欲してしまい、うつっぽくなり、だるくなり、肝臓機能も低下する。
つまり、僕自身で言えば、糖質制限をはじめたことで、体重が減少し、満腹感を十分に感じるようになり食べる量が減り、うつっぽさが軽減し、だるさがへり、お酒を多少飲んでも平気になりました。

また、心身への砂糖の影響だけでなく、食品(飲料)メーカーが砂糖の心身への影響を過小評価させるように動いているかにも触れられています。
簡単に陰謀論的に描くことには注意が必要ですが、営利企業である限り、自分たちの不利益になるような情報はなるべくなくし、利益を最大化させるということは当然のことなので、食品メーカーとそこに結びついた研究者に切り込んでいることはとても重要なことだと思います。

ちょっとだけ不満があるとしたら、「砂糖類」には焦点が当てられているものの、「糖質」には全く触れられていない点です。
砂糖類が体内でどのような働きをするのか解説しているものの、糖質には全く関心を寄せていません。
糖質にも砂糖類と同じ働きを体内でするものがあるので、心身への影響を描くのならば、体内で同じ働きをする糖質にも焦点を当てる必要があると思います。

まぁ、何にせよ、砂糖類、そして糖質の取り過ぎは心身へ大きな影響があるということがこの映画を観ても明らかになったので、今後も糖質制限を続けていきたいと思います。
何よりも、映画で主演&監督のガモーの心身の変化を目の当たりにし、それでもインパクトがありますが、僕自身も糖質の影響を実感しているので、これ以上のインパクトに勝るものはありません。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ムーンライト」 / 5 「あまくない砂糖の話」 / 6 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 7 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 8 「帰ってきたヒトラー」 / 9 「SING/シング」(日本語吹替版) / 10 「奇跡の教室」

11 「ベティ・ブルー」 / 12 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 13 「神様の思し召し」 / 14 「her/世界でひとつの彼女」 / 15 「マグノリア」 / 16 「プリズナーズ」 / 17 「if i stay」 / 18 「ハドソン川の奇跡」 / 19 「ラ・ラ・ランド」 / 20 「しあわせのかおり」

21 「REDリターンズ」 / 22 「 愛しき人生のつくりかた」 / 23 「ディーパンの闘い」 / 24 「プリデスティネーション」 / 25 「花様年華」 / 26 「EDEN/エデン」 / 27 「17歳」 / 28 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 29 「後妻業の女」 / 30 「あと1センチの恋」

31 「海難1890」 / 32 「ホテルコパン」 / 33 「ロング・トレイル!」 / 34 「ワールド・ウォーZ」 / 35 「惑星のかけら」 / 36 「麦子さんと」 / 37 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 38 「カケラ」 / 39 「スプリング・ブレイカーズ」 / 40 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.11 Tue l 2017年 l top
TSUTAYAディスカスで旧作50円だった(税&送料別)ので借りて観た作品です。


プリズナーズ(字幕版)


映画『プリズナーズ』オフィシャルサイト

作品データ
原題 Prisoners
製作年 2013年
製作国 アメリカ
上映時間 153分
映倫区分 PG12

ストーリー(公式サイトより)
ペンシルヴェニア州で小さな工務店を営むケラー(ヒュー・ジャックマン)の幸せに満ちた日常は、何の前触れもなく暗転した。
感謝祭の日、6歳の娘アナがひとつ年上の親友と一緒に外出したまま、忽然と消えてしまったのだ。
まもなく警察は青年アレックス(ポール・ダノ)を容疑者として拘束するが、自白も物証も得られず2日後に釈放。
刑事ロキ(ジェイク・ギレンホール)の生ぬるい対応に不満を隠せないケラーは、アレックスがふと漏らしたひと言から、彼が犯人だと確信し、自らの手で口を割らせようとする。
最愛の娘を取り戻したい一心で、法律とモラルの一線を踏み越えていく父親。
粘り強い捜査によって、新たな容疑者の存在を突き止めていく刑事。
もがけばもがくほど混迷が深まるこの難事件の背後には、想像を絶する闇が広がっていた…。

感想
まず内容について触れる前に、映倫がPG12になっていますが、僕が観た感じではR15だと思いました。
ものすごく暴力的なシーンがあり、それはさすがにPG12でもまだ配慮が必要かな、と。

内容に関していうと、ものすごく怖い映画でした。
あらすじとしては、

子ども2人が失踪

両親と警察が犯人を探す

あやしいの発見

確証がないので、それぞれが探し続ける

過去のことも現在進行形のことも少しずつ明らかに

子ども発見

犯人判明

と、最終的には子どもたちも見つかり、犯人も分かります。
それ自体は怖くもないのですが、子どもたちを探す過程で次々に明らかになっていく「過去と現在進行形の出来事」がとても怖いものでした。

「プリズナーズ」(=囚人、囚われている人たち)というタイトルが示唆しているように、いろいろな囚われている人たち、そしてその人たちをとらえている人たちが出て来ます。

公式サイトがストーリーのところで「最愛の娘を取り戻したい一心で、法律とモラルの一線を踏み越えていく父親」と書いているように、ケラーは「一線」という言葉や概念がないかのようにどんどん踏み込んでいきます。
それでもその行為は「娘のため」ということで、「神」に祈り、許しをこうことで自分自身をも自分自身が許していきます。

僕自身が恐怖を覚えたのは「娘のため」という動機ではなく、むしろその行為を「許している」ということでした。
神を持ち出すことによってあたかも自分が神に許されているかの様に錯覚しているのは、この映画でのような行為をしなくても、「神」に祈ったり、願ったりしている人たちの大部分に共通する行いです。
そして、そのことにいかに自覚的でいるかということが重要なのですが、それを自覚している人があまりにも少ないということげ現実なのだ、と改めて痛感させられました。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ムーンライト」 / 5 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 6 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 7 「帰ってきたヒトラー」 / 8 「SING/シング」(日本語吹替版) / 9 「奇跡の教室」 / 10 「ベティ・ブルー」

11 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 12 「神様の思し召し」 / 13 「her/世界でひとつの彼女」 / 14 「マグノリア」 / 15 「プリズナーズ」 / 16 「if i stay」 / 17 「ハドソン川の奇跡」 / 18 「ラ・ラ・ランド」 / 19 「しあわせのかおり」 / 20 「REDリターンズ」

21 「 愛しき人生のつくりかた」 / 22 「ディーパンの闘い」 / 23 「プリデスティネーション」 / 24 「花様年華」 / 25 「EDEN/エデン」 / 26 「17歳」 / 27 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 28 「後妻業の女」 / 29 「あと1センチの恋」 / 30 「海難1890」

31 「ホテルコパン」 / 32 「ロング・トレイル!」 / 33 「ワールド・ウォーZ」 / 34 「惑星のかけら」 / 35 「麦子さんと」 / 36 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 37 「カケラ」 / 38 「スプリング・ブレイカーズ」 / 39 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.10 Mon l 2017年 l top
公開されたら見に行こうと思っていたら、ちょうど映画が安く観られる日に、家族がみんなツレ両親宅に出かけたので、映画館へ向かいました。
見た作品はこれ↓



映画『ムーンライト』公式サイト

作品データ(映画.comより)
原題 Moonlight
製作年 2016年
製作国 アメリカ
上映時間 111分
映倫区分 R15+

ストーリー(公式サイトから)
シャロン(アレックス・ヒバート)は、学校では“リトル”というあだ名でいじめられている内気な性格の男の子。ある日、いつものようにいじめっ子たちに追いかけられ廃墟まで追い詰められると、それを見ていたフアン(マハーシャラ・アリ)に助けられる。フアンは、何も話をしてくれないシャロンを恋人のテレサ(ジャネール・モネイ)の元に連れて帰る。その後も何かとシャロンを気にかけるようになり、シャロンもフアンに心を開いていく。ある日、海で泳ぎ方を教えてもらいながら、フアンから「自分の道は自分で決めろよ。周りに決めさせるな」と生き方を教わり、彼を父親代わりのように感じはじめる。家に帰っても行き場のないシャロンにとって、フアンと、男友達ケヴィンだけが、心許せる唯一の“友達”だった。

高校生になったシャロンは相変わらず学校でもいじめられている。母親のポーラは麻薬におぼれ酩酊状態の日も多くなっていた。自分の家で居場所を失ったシャロンは、フアンとテレサの家へ向かう。テレサは「うちのルールは愛と自信を持つこと」と、昔と変わらない絶対的な愛情でシャロンを迎えてくれる。 ある日、同級生に罵られひどいショックを受けたシャロンは、夜の浜辺に向かうと、偶然ケヴィンも浜辺にやってくる。密かにケヴィンに惹かれているシャロン。月明かりが輝く夜、二人は初めてお互いの心に触れることに… しかし、その翌日、学校ではある事件が起きてしまう。

あの事件からシャロンは大きく変わっていた。高校の時と違い、体を鍛えあげ、弱い自分から脱却して心も体も鎧をまとっている。ある夜、突然ケヴィン(アンドレ・ホーランド)から連絡がある。 料理人となったケヴィンはダイナーで働いていて、シャロンに似た客がかけたある曲を聴きふとシャロンを思い出し、連絡をしてきたという。あの頃のすべてを忘れようとしていたシャロンは、突然の電話に動揺を隠せない。 翌日、シャロンは複雑な想いを胸に、ケヴィンと再会するのだが―。

感想
映画館では公開2日目、そして料金が安い日だったこと、そしてさらに土曜日だったということで、朝一番の時間にもかかわらず満席でした。

内容に入る前に、気になったのは映倫がR15になっていること。
特にR15にしなければならない表現はないと僕は思いました。
露骨な性描写があるわけでもなく、ドラッグを吸引するシーンも特にありません。
もし、この点を気にしている人がいたとしたら、特に気にしなくて良いと僕は思います。

この映画で一番良いな、と思ったのは、彼らが【黒人】であることを過度に意識させないところでした。
もちろん、母親がドラッグ中毒になるのも、主人公のシャロンがドラッグの売人になるのも【黒人】だからこそかも知れません。
舞台となっているフロリダでは黒人はそのような環境に身近に晒されているのでしょうし、その点では【黒人】でないと成り立たないかも知れません。

でも、これが例えば舞台がデトロイトだとしたら。
ここに出てくるのは白人で、同じ物語(といってもデトロイトには海のシーンは出来ませんし、キューバとの関連を語るのは難しくなりますが)であっても違和感を感じる事はないはず。
そういう意味で、過度に「黒人である」、「黒人だから」と感じさせることはありませんでした。

そして、さらに良かったのは、劇的な出来事が起きるわけではない、ということ。
誰にでも起きることだと僕は思ったし、それが自分かもしれなかったとも思いました。

逆に言えば、例えば差別やLGBTへの理解を勧めるようなことを期待していると裏切られるかも知れません。
そこには、差別に立ち向かうことも、LGBTを【理解】するような場面もありません。
ただ、その主人公シャロンが深く心を許したのがケヴィンであり、それが男性であったということで、「ゲイだからケヴィンを好きになった」のではなく、「相手がケヴィンなので、同性ということになる」ということだと思います。

僕にしては珍しく、最後まで途中で時計を見ることがありませんでした。
この映画では、劇的な何かが起きる訳でもないにもかかわらず、集中力を途切れさせることが全くありませんでした。
その理由を説明することは難しいので、他の人がどのように観たのか感想を聞きたいな、と思います。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ムーンライト」 / 5 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 6 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 7 「帰ってきたヒトラー」 / 8 「SING/シング」(日本語吹替版) / 9 「奇跡の教室」 / 10 「ベティ・ブルー」

11 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 12 「神様の思し召し」 / 13 「her/世界でひとつの彼女」 / 14 「マグノリア」 / 15 「if i stay」 / 16 「ハドソン川の奇跡」 / 17 「ラ・ラ・ランド」 / 18 「しあわせのかおり」 / 19 「REDリターンズ」 / 20 「 愛しき人生のつくりかた」

21 「ディーパンの闘い」 / 22 「プリデスティネーション」 / 23 「花様年華」 / 24 「EDEN/エデン」 / 25 「17歳」 / 26 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 27 「後妻業の女」 / 28 「あと1センチの恋」 / 29 「海難1890」 / 30 「ホテルコパン」

31 「ロング・トレイル!」 / 32 「ワールド・ウォーZ」 / 33 「惑星のかけら」 / 34 「麦子さんと」 / 35 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 36 「カケラ」 / 37 「スプリング・ブレイカーズ」 / 38 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.08 Sat l 2017年 l top
今回もTSUTAYAディスカスで旧作50円だったので(税抜き&送料別)借りてみた映画です。
この映画を観ていたら、ツレが「観たことなかったの?」と言ってきたのですが、公開時僕は高校生で、高3から映画をよく観るようになったので、アカデミー賞にノミネートされたり、ゴールデングローブ賞を取ったりと有名な作品ですが、ちょうど僕が観始める前くらいに公開されたようです。
ツレはそのころには既に大学も出ているので観たのかも知れません。
久しぶりにツレとのジェネレーションギャップを感じる出来事でした。


マグノリア [DVD]


作品データ(映画.comより)
原題 Magnolia
製作年 1999年
製作国 アメリカ
上映時間 187分

内容(映画.comより)
死の床で息絶えんとするテレビの大物プロデューサー、彼が昔捨てた息子、プロデューサーの若い妻、看護人、癌を宣告されたテレビのクイズ番組の司会者、彼を憎む娘、彼女に一目惚れする警官、番組でおなじみの天才少年、かつての天才少年……。ロサンゼルス、マグノリア・ストリート周辺に住む、一見何の繋がりもない12人が、不思議な糸に操られて大きな一つの物語に結び付けられていく。そして……“それ”は、起こる!

感想
物語そのものよりも、そこで演じている俳優達に目を惹かれました。
ジュリアン・ムーアはいつ見ても安定した演技力だし、今は亡き(ものすごく悲しい)フィリップ・シーモア・ホフマンがものすごく人の良さそうな看護人をしていて、それがこの作品以降のフィリップ・シーモア・ホフマンばかり観ていた僕にはすごく新鮮に、そして、こんな役も出来るということにすごく魅力的に映りました。

また、トム・クルーズが何と言っても良かったです。
アカデミー賞にノミネートされたり、ゴールデングローブ賞を受賞したりしていることが納得出来る演技でした。
それはトム・クルーズが演じるキャラクターが際立っていることもあるのでしょうが、それをちゃんと演じきれているところがすごいな、と。

俳優陣の演技を抜きにしてストーリーに関して良いな、と思ったのは、「後悔しているところ」。
「いろんな出来事があったけど、それを糧に前に進むことが出来た」とか、「ネガティブな出来事も全て受け入れて、後悔なんてしない」というような内容が映画であれ、小説であれ、物語(だけじゃなく、ちまたに流れる様々な【語り】)には多い中、「後悔しそれについて悔やみ、悩んでいる」ということを真っ正面から描いている点がすごく良かったです。

ジュリアン・ムーアは過去の自分の行いを後悔し、それをどうにかしたくてもがくものの結局どこにも行けず破滅的になったり。

ラストを「ハッピーエンド」と捉える人もいるようですが、僕自身はそうは思えなくて、それでも生きていくということを伝えているのかな、と思いました。

また、この映画で欠かせないのは、エンディングのこの曲↓



この歌にインスピレーションを得て映画にしたということで、「Save Me」と歌っていることがこの映画の登場人物全員の思いを歌っているように思います。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 5 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 6 「帰ってきたヒトラー」 / 7 「SING/シング」(日本語吹替版) / 8 「奇跡の教室」 / 9 「ベティ・ブルー」 / 10 「ミッドナイト・イン・パリ」

11 「神様の思し召し」 / 12 「her/世界でひとつの彼女」 / 13 「マグノリア」 / 14 「if i stay」 / 15 「ハドソン川の奇跡」 / 16 「ラ・ラ・ランド」 / 17 「しあわせのかおり」 / 18 「REDリターンズ」 / 19 「 愛しき人生のつくりかた」 / 20 「ディーパンの闘い」

21 「プリデスティネーション」 / 22 「花様年華」 / 23 「EDEN/エデン」 / 24 「17歳」 / 25 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 26 「後妻業の女」 / 27 「あと1センチの恋」 / 28 「海難1890」 / 29 「ホテルコパン」 / 30 「ロング・トレイル!」

31 「ワールド・ウォーZ」 / 32 「惑星のかけら」 / 33 「麦子さんと」 / 34 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 35 「カケラ」 / 36 「スプリング・ブレイカーズ」 / 37 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.06 Thu l 2017年 l top
以前、知人が「大好きな映画」ということで勧めていたので、TSUTAYAディスカスが旧作50円(税抜き、送料別)だったので借りてみました。


ベティ・ブルー/愛と激情の日々(字幕版)


ベティ・ブルー / 愛と激情の日々(公式サイト)

作品データ(映画.comより)
原題 37°2 le matin
製作年 1986年
製作国 フランス
日本初公開 1987年12月12日
上映時間 121分
映倫区分 R18+

ストーリー(公式サイトから)
閑散とした海辺のバンガローで単調な日々を送っていた35歳のゾルグのもとに、美しい少女・ベティが現れた。ベティの野性的な魅力に惹かれたゾルグは、彼女が行き場のない身であることを知ると、自宅に住まわせることにする。
激しく惹かれあうようになった二人は毎日のようにセックスに耽り、愛を確かめ合う日々が続く。
ある日ベティは、ゾルグが過去に書きためていた小説を偶然発見し心酔するようになる。
ゾルグの才能を稀有のものと確信し、作品の書籍化のために奔走するも各出版社の反応は冷たく、ベティの迸るような情熱は空回りし続け、失意に陥る。
ゾルグは穏やかな愛情で彼女を包もうと懸命に努めるも、ベティのストレート過ぎるほどの感情表現はエスカレートして行き、やがて…。

感想
この映画を薦めていた知人はベティのことを「魔性の女」と評し、それと共に、ゾルグのことを「愛妻家の基準」と言っていました。

2人の出会いの場面は描かれておらず、いきなり身体を求め合うところから始まるので、僕としては「身体ばかりでいつか心は離れていってしまうのでは…」と思いつつ観ていたのですが、最後までそんなことはありませんでした。

ベティはゾルグのことを心酔し、ゾルグもベティの為に尽くそうとする。
ここまで振り回されてしまうと、しかもゾルグにとってベティは10歳以上も年下なので、ゾルグはうんざりしてしまうのでは、と僕なんかは思ってしまうのですが、ゾルグはそんなことは全く感じないのか、尽くし続けます。

ベティの魅力的な姿が、傍から見ていると、その魅力だと思っていた面が「狂気的」に見えてくるのですが、それでもゾルグは彼女を愛し続け、支えようとする。
確かに、知人が評したようにこのゾルグの態度、生き方こそが「愛妻家」とも言えるものなのでしょう。

でも、なぜそこまでゾルグはベティを愛し続けることが出来るのか、それが僕にはあまり理解出来ませんでした。
確かに魅力的な女性ではあるけれど、ゾルグとベティの芯が触れあっているというように僕が感じられるような場面はありませんでした。
それは最初にどのようにして関係するようになったのかが描かれていないからかも知れませんし、それとも少しずつ離れがたい存在になっていく過程があまりないように思えたからかも知れません。

ちなみに原題の「37.2℃」というのは、女性が妊娠しやすい体温とのことで、これが色んな意味を読み取らせるタイトルで、とても良いな、と思います。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 5 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 6 「帰ってきたヒトラー」 / 7 「SING/シング」(日本語吹替版) / 8 「奇跡の教室」 / 9 「ベティ・ブルー」 / 10 「ミッドナイト・イン・パリ」

11 「神様の思し召し」 / 12 「「her/世界でひとつの彼女」 / 13 「if i stay」 / 14 「ハドソン川の奇跡」 / 15 「ラ・ラ・ランド」 / 16 「しあわせのかおり」 / 17 「REDリターンズ」 / 18 「 愛しき人生のつくりかた」 / 19 「ディーパンの闘い」 / 20 「プリデスティネーション」

21 「花様年華」 / 22 「EDEN/エデン」 / 23 「17歳」 / 24 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 25 「後妻業の女」 / 26 「あと1センチの恋」 / 27 「海難1890」 / 28 「ホテルコパン」 / 29 「ロング・トレイル!」 / 30 「ワールド・ウォーZ」

31 「惑星のかけら」 / 32 「麦子さんと」 / 33 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 34 「カケラ」 / 35 「スプリング・ブレイカーズ」 / 36 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.05 Wed l 2017年 l top
観てみたいな、と自分の「いずれ観る映画リスト」に入れておいたのですが、先日、いつも聞いている荻上チキさんと南部広美さんのラジオ番組で荻上さんがこの映画について語っていました。

荻上チキの映画評「わたしは、ダニエル・ブレイク」(ケン・ローチ監督)【音声配信】3月16日放送分(セッション22:TBSラジオ)

また、新聞にも作品の書評だけでなく、監督のインタビュー記事も載っていました。

働けど貧しい、だが屈しない ケン・ローチ監督「わたしは、ダニエル・ブレイク」(朝日新聞3月24日夕刊)
(評・映画)「わたしは、ダニエル・ブレイク」 権力への怒り、まっすぐに(朝日新聞3月17日夕刊)

これらのラジオを聞いたり、新聞記事を読んでいたらDVDになるのを待つより実際に観てみたいと思うようになりました。
公式サイトを見てみたら、都内の割と近いヒューマントラストシネマ有楽町で上映していて、水曜日はかなり安く観られるということだったので、水曜日を狙って見に行ってきました。



映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』公式サイト

作品データ
原題 I, Daniel Blake
製作年 2016年
製作国 イギリス・フランス・ベルギー合作
上映時間 100分

内容(公式サイトより)
イギリス北東部ニューカッスルで大工として働く59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれる。貧しいなかでも、寄り添い合い絆を深めていくダニエルとケイティたち。しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。

感想
この映画は、先進国という呼ばれる国で、現代に生きる人たち誰もが観るべき映画だと思います。

荻上さんの推薦コメント「イギリスだろうと、日本だろうと、いつもダニエルは僕らの隣にいる。ただ、僕らがまだ名前を尋ねていないだけだ。」という言葉の通り、この映画の舞台はイギリスですが、日本でも同じようなことが起きています。

制度の枠にはじかれ、どうにか自分自身を奮い立たせ懸命に生きようとしても、結局その制度の中では「意味のない行動」とされ、時には処罰さえされてしまう。
そして、制度の枠から排除されてしまうことで、ずるずるとより困難な状況になっていく。

貧困や格差ということを語る時、本当によく聞くのは「自己責任」という言葉です。
100%自己責任、と言い切る人はそこまで多くないかも知れませんが、「それでもその人に何かしら責任(原因)があるんでしょ」と考える人は少なくありません。
そんな風に思っているであろう多くの人に是非この映画を観て欲しいです。

僕は少しだけ野宿者(いわゆるホームレス)の方たちと関わらせてもらいました。
その人たちと接していたそのままの光景がこの映画には描かれているように思いました。

一つのあるきっかけで困難な状況になり、そしてどうにか生活を建て直したいと思って奮い立たせようとするも、どんどんと困難な状況になる。
最初は食事が満足に出来なくなり、水道高熱費などの支払いが出来なくなり、家賃も払えなくなる…。
そして、お金がなくなっていき、ものもなくなっていくうちに、どんどん自分の自信、人間としての尊厳がなくなっていく。。。

はっきり言って救いのない映画でした。
でも、ダニエルは最後まで【人間としての尊厳】を失わなかった。
だからこそ、ラストの結果をもたらす訳ですが、そこには尊厳を失ってもすがって生きるか、尊厳を保ち続けようとするか、という究極の選択が提示され、僕たちに真っ向から問いかけていました。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

2017年に観た映画ランキング

1 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 / 2 「さとにきたらええやん」 / 3 「この世界の片隅に」 / 4 「ドラッグ・ウォー / 毒戦」 / 5 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 6 「帰ってきたヒトラー」 / 7 「SING/シング」(日本語吹替版) / 8 「奇跡の教室」 / 9 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 10 「神様の思し召し」

11 「「her/世界でひとつの彼女」 / 12 「if i stay」 / 13 「ハドソン川の奇跡」 / 14 「ラ・ラ・ランド」 / 15 「しあわせのかおり」 / 16 「REDリターンズ」 / 17 「 愛しき人生のつくりかた」 / 18 「ディーパンの闘い」 / 19 「プリデスティネーション」 / 20 「花様年華」

21 「EDEN/エデン」 / 22 「17歳」 / 23 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 24 「後妻業の女」 / 25 「あと1センチの恋」 / 26 「海難1890」 / 27 「ホテルコパン」 / 28 「ロング・トレイル!」 / 29 「ワールド・ウォーZ」 / 30 「惑星のかけら」

31 「麦子さんと」 / 32 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 33 「カケラ」 / 34 「スプリング・ブレイカーズ」 / 35 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

2017.04.03 Mon l 2017年 l top