一ヶ月前にはてな匿名ダイアリー(通称「増田」=AnonymousDiary(あのにますだいありー))に投稿されたブログ記事「保育園落ちた日本死ね!!!」を発端に周知のように保育園待機児童問題に関する議論が活発になっています。

色々思うところはあったのですが、なかなか書くことが出来ませんでした。

具体的に何か出来る事があれば良いなとは思うものの、僕には何も出来ることはなく…。
でも、保育園に関して過去に書いた記事に(今年に入ってからブログの更新を怠っていたのに)アクセスが沢山あり、この問題で困っている人が多いのだろうな、少しでも役に立っていれば良いな、と思っています。

我が家のムスメM(4歳)が保育園に入園できず、待機児童になった経緯などは、「保育園入園について」というカテゴリーにまとめてありますので、そちらを読んでもらえたらと思います。

保育園入園について

待機児童になった経緯や、そこから僕たちがやったこと(不服申し立て)、そして、最近はメディアでも少し触れられるようになってきたそもそも「待機児童の定義がおかしのではないか」ということも今まで書いてきました。
何かの参考になれば嬉しいです。

「待機児童問題は日本の問題ではない」のか?

さて、この1ヶ月の議論の中で僕が気になる点がいくつかありました。
その代表的な意見が「保育園の待機児童問題は都市部の問題であって、日本の問題ではない」というものです。
たとえば、こういうものです。




保育園に関しては自治体によって様々な課題を抱えていると思います。
待機児童が多くて困っている自治体、職員が足りていない自治体、保育園の運営自体が厳しい自治体。
でも、それらを「日本の問題って言われても…」と突き放すのは僕は疑問です。

なぜなら、たとえばこの保育園の待機児童問題を、東日本大震災の復興問題に置き換えてみたいと思います。
その時、「復興の問題は、東日本、しかも、津波でやられたところだけの問題でしょ?」と言うでしょうか。
東日本大震災からの復興は殆どの人が「日本の問題」と捉えるでしょう。

一地方での問題だけど、「その地域だけの問題」と突き放すことはないはずです。
地域によって課題が違うのは当たり前で、その1つ1つの課題を抱えている地域が集まって日本を形成しているのだから、どれもが日本が抱えている問題であるはずです。

現に待機児童が全国で何万人もいて、困っている人がいる。
その状況に対して、「日本の問題じゃない」と言って、一地方、あるいは個人の問題にするのは、何ら建設的ではないと思います。

「地方の保育園は空いてるから引っ越せば?」


さて、この待機児童問題が「日本の問題ではない」という意見に関連して、気になったのが「地方の保育園は空いてるから引っ越せば?」という意見です。




ここまでストレートに書かなくても、割と身近な人が「引っ越しを考えておくのも必要」というようなことを書いていました。

これらの意見を書く人が気づいていないことは「引っ越すことを選べる」という前提がない人がいるということです。
そこで生活していくしかない様々な理由、たとえば、仕事がそこしかないとか(あるいは他の地域で見つけることがほとんど無理)、子どもだけでなく親の面倒を見ているとか、もっと直接的に金銭的な理由とか、そもそも「引っ越す」ということを考えること自体が難しい(無理)な人たちがいる、ということです。

僕は今でこそ今住んでいる家で6年目を迎えましたが、結婚してからの3年間で3回引っ越しをしましたし、今でも引っ越しをして他のところに住みたいという希望を持っています。
なので、引っ越しを今までしたことがないというような人よりも引っ越しに対してのハードルは低いと思います。
でも、「引っ越しに対してのハードルが低い」ことと、「実際に引っ越せるかどうか」は全く違います。

いろいろな条件の下に今住んでいる場所で生活しているように、いろいろな条件をクリアしないと引っ越しすることは難しいのです。
それを「地方なら保育園が空いている」=「子どもが保育園に入園出来る」というその1つの条件をクリア出来るだけで引っ越せる(引っ越しを考えられる)という意見に驚いています。
日本の政治に批判的な意見を言うとすぐに「日本から出て行けよ」と言われますが、まさに同じことで、1つの政治的課題に批判的な意見を言ったら、「その地方から出て行けよ」と言われているということです。
割と教養のあると思っていた知人が「引っ越しも考えておこうよ」というようなことを書いていて、ショックを受けています。

課題があるときに、個人の問題にするのではなく、どのように改善していけるか、解決の方法に向かっていけるか、どのようにすれば少しでも今よりもよりよい生活を送ることが出来るようになるのか、それを考え、実行していくことこそが重要だと思います。
関連記事
スポンサーサイト
2016.03.16 Wed l 保育事情 l top