一応会員にになっているNPOファザーリング・ジャパンのメーリングリスト(ML)でちょっと議論になっているのが、

家事・育児を外注したい、でも今の値段設定は手が出ないから、外国人労働者を受け入れて値段押さえれば、みんなが利用するようになるんじゃね?

というものです。

この議論を見ていて、「うーん、なんで誰も突っ込まないんだろうか。」(最近突っ込んだ人が現れましたが)と思っていたのですが、メール上で議論を交わすのは避けているので、このブログに僕が気になった点を書いておきたいと思います。

議論の発端は、リクルートワークス研究所が発表した提言書「提案 女性リーダーをめぐる日本企業の宿題」というものです。
これが【女性リーダーをめぐる日本企業の宿題】への16の提言になっています。
そして、今回のMLの議論の発端になったのが、提言14の「家事・保育サービスに産業革命を。」というものです。

詳しい内容は、PDFで見られるようになっているので、そちらを見てもらえたらと思いますが、提言14のところだけ書き写して、僕が気になる所に下線を入れます(PDFをコピペ出来れば良かったのですが出来ず…)。
提案 女性リーダーをめぐる日本企業の宿題

――――――
提言14 家事・保育サービスに産業革命を ―家事・保育サービスのプライスダウンで、誰もが利用できるように。―
 日本の男性の家事参加は、1日あたり約1時間と、他国に比べてかなり低水準ですが、これは一朝一夕に変えられるものではありません。そこで、外部経済の活用によって女性の家事・育児の負担軽減を考えてはどうでしょう。
 今、ベビーシッターなどの保育サービスや家事代行サービスは、ごく一般的な家庭ではなかなか活用できません。シッターサービス利用料が、首都圏で1時間あたり2000~2500円程度。18~20時の2時間、月10回利用すると月4万~5万円の出費となります。食事づくりや掃除、洗濯などの家事代行サービスは、東京で1時間3500~5000円程度。週1回3時間の利用で月4.2万~6万円にもなります。ごく普通の家庭にあっては、こうしたサービスは気軽に使うには料金が高すぎるのです。
 ほかの産業に先駆けて、シッターや家事代行サービスに従事する外国人労働者の受け入れを検討してはどうでしょうか。
 たとえば、シンガポールでは約17万人のシッターや家政婦がフィリピンやインドネシアなどから入国しています。シッターや家政婦を個人が直接雇用し、彼女たちのための特別なビザも存在しますが、日本ではそもそも個人が外国人を直接雇用することはできません。
 そこで考えられるのは、人材派遣会社などによる個人宅への家政婦・シッター派遣です。これを可能にして、たとえば1時間あたり1500円でシッターや家事代行のサービスが受けられるなら、サービスを活用できる家庭の数は急増すると考えられます。
 女性の家事・育児負担が減り、仕事に集中できる時間と精神的余裕が増えれば、昇進とともにより高い給与を得られる女性も増えるので、こうしたコストの負担感もさらに減殺されるはずです。
――――――

まぁ、リクルート、営利企業が発表している提言なので、自分たちが利益を追求できる姿を描いているのは当然のことです。
しかし、それにしても、最初から早々に「男性の家事参加は、」「かなり低水準」なので、「一朝一夕に変えられるものでは」なく、ならば、「シッターや家事代行サービスに従事する外国人労働者の受け入れ」てはどうか、と前半と後半が特につながりもなく提示されています。

違う言い方をすれば、「男性が家事育児をすることはもう期待できないので、だったら、日本人より安く雇える外国人に家事育児をやってもらえば、みんなが利用するんじゃない?」ということです。

で、ML上では、「そうだそうだ、上海とかシンガポールにいる友人・知人がそうしてるし、日本にいるウチでもやりたい!」という意見が出され、「いやいや、外国人を雇うにしても最低賃金を守らないといけませんよ。」とたしなめる声、「外国人を搾取とかヒステリックに言うなんておかしい!本国で稼げないくらい日本では稼げるんだから良いじゃん」みたいなやりとりがありました。

で、僕が「なんで突っ込まないの?」と思っていたのは、「たとえ本国の物価が日本より安い国から労働者を受け入れて日本人よりも安い賃金で雇ったとしても、その外国人労働者が生活する場が日本である限り、本国に送金なんて殆ど出来ないので、来るわけないじゃん」ということです。

ツッコミだけしても仕方がないので、僕がもし、「安い賃金で家事・育児を担って欲しい」という要求だけに答えるならば、外国人など受け入れなくても、最低賃金水準で働かされている日本人(特に若者)は沢山いるし、仕事さえ見つからない人は沢山いるので、そういう人たちこそ先に視野に入れるべきでは?と思います。

リクルートとしては(理由は分かりませんが)外国人労働者を増やしたいというもくろみがあるのでしょうが、「経済」ということだけを考えれば、仕事が安定せず、低賃金で働かされている(働き口さえない)若者が沢山いる現状ならば、その人たちを集めて今の家事・育児代行サービスより安価で提供する方が手っ取り早いはずです。


ちなみに、この議論に平行して「移民受け入れは是か非か?」みたいなことも繰り広げられていますが、この提言自体は移民の話が中心ではないし、移民はまた異なる視点から詳細に論じる必要があるので、今回は触れませんでした。


とりあえず、ギリギリ20代の「若者」と分類される自分としては、「安い賃金で働かせられるからといって外国人を雇うくらいなら、今すでに安く買いたたかれてる若者、働き口のない若者に仕事回せよ!」と叫びたい気持ちなのでした。
関連記事
スポンサーサイト
2013.12.14 Sat l 日々雑感 l top